大学のレポート作成では、結論が重要な役割を果たします。
読者がレポート全体の「主張」を理解するためには、「序論」「本論」「結論」の構成が不可欠であり、その中でも締めの言葉は、訴えたいメッセージを強く印象付ける役割を持っています。
しかし、そんな締めの言葉、皆さんは適切に書かれていますか?
本記事では、大学のレポート作成における「締めの言葉」に焦点を当て、その重要性と有効な書き方について解説します。また、誤った書き方とその修正方法も一緒に解説し、さらには各学問分野別の良い締めの言葉の例も提供します。
成功するレポートはその疑問と解答の組み合わせによって成り立っています。では、どのようなテクニックを使えば読者が理解しやすく、かつ強く印象に残る締めの言葉を作ることができるのでしょうか?それらを具体的に学んでいきましょう。
この記事を読むことで、元々ある主張をより効果的に強調し、皆さんのレポートがより深みと説得力を持つツールとなることをお約束します。
大学レポート締めの言葉とその重要性
レポートは序論で問いを立て、本論で情報を提供し、結論でその問いに答える形を取ります。
その中でも結論は、全てを総括し、あなたの「主張」を明確に伝える場所です。
つまり、良い結論を書くことでレポート全体の価値を高めることができます。
結論の役割と、良い締めの言葉が持っている影響力について掘り下げていきましょう。
結論の役割
「本論」で提示したデータや論拠に基づき、主張が正当なものである理由を明示する一方で、「序論」で設定した問いに対する明確な回答を提供します。このような特性から、結論の丁寧な作成はレポートの評価に大きな影響を及ぼし、学生が探求した知識や思考力の成果を読者に明確に伝えるための重要な手段です。
締めの言葉の影響力
また、適切な締めの言葉は、読者が得た知識や情報が頭の中で整理されて定着する手助けにもなります。
部分的に理解していた点が、結論を通して全体像に結びつき、さらに深い理解が得られることもあります。締めの言葉がきちんと書かれていないと、読者は「このレポートの結論は何だったのか?」と疑問を持つ可能性があるのです。
良い締めの言葉を作るためのテクニック
良い締めの言葉を書くためには、何が重要なのでしょうか。次の小見出しでは、そんなテクニックをいくつかご紹介します。
レポートの目的を再確認する
それは何のためにこのレポートを書いているのか、何を調査したのか、その調査から何を学んだのかといった基本的なことです。これらの点を明確にすることで、レポートの流れを自然とまとめ上げることができ、結論も明瞭なものになります。
読者の視点に立つ
読者がどのような情報を得たいのか、どのように理解しやすいかを考慮に入れることで、結論も読者にとって理解しやすく、納得感のあるものになります。これは、レポートが他者に伝えるための手段であるという本質を理解していることの証しでもあります。
本文の主張を要約する
本論では詳細に調査結果や分析を展開していくため、結論ではその全体像を短く把握できるようにまとめます。その結果、読者にとっても情報を整理しやすくなり、理解が深まるでしょう。
序論に対する結論を最初に伝える
この結論が示されることで、その後の本文とのつながりが生まれ、なぜこの主題について考察する必要があるのかが明確になります。
締めの言葉の長さは全体の2割にする
あまり長すぎると読んでいる方は途中で疲れてしまう可能性がありますが、逆に文が短すぎると十分な情報を伝えきれないこともあります。
そのため、一つの目安としては全体の2割程度を結論に充てることが良いとされています。
今後の課題を提示する
そのため、結論には「今後の課題」を明記することが読者に新たな視点を与えます。自身の疑問や今後どのように進んでいきたいのかを示すことで、自身の学びだけでなく、読者にも深い理解をもたらす機会を与えます。
「序論」で提示した疑問に「結論」で答える
それはレポートの一貫性を保つうえで重要なことで、その過程で新たに生じた疑問点や課題をともなっていても構いません。序論と結論の一体化により、読者もレポートの流れをスムーズに理解できます。
締めの言葉と全体の文章に一貫性を持たせる
もし結論が前の部分と異なる方向を指してしまっては、読者は混乱します。結論を書く際は、全体の流れを意識し、主張を一貫性をもって伝えることを心掛けましょう。
結論の誤った書き方とその修正方法
以上のように、結論には様々なテクニックがありますが、逆に間違った書き方をしてしまうと、レポート全体が台無しになってしまうこともあります。以下では、よくある間違いとその修正方法についてご紹介します。
- 本文に書いていないことを書かない
- 私見を入れすぎない
- 本文に書いていないことを書かない
本文に書いていないことを書かない
それがあると、読者は混乱し、全体の一貫性がなくなってしまいます。結論を書く際には、レポート全体を一度見直し、自身が何について書いたのかを再確認しましょう。
私見を入れすぎない
レポートは、自身の考えを他者に伝える手段であるため、あくまで客観的な情報と自身の見解をバランスよく混ぜることが大切です。その上で、読者自身が自分で考えるきっかけを与え、自分なりの結論を導き出せるような結果に繋がれば最高です。
本文の内容と異なる結論を書かない
本文で指摘した問題や考察と食い違う結論が出てしまうと、読者は混乱し、論文の信憑性が下がります。本論で提起した問いに対する答えとして結論が機能し、それが一貫性を持っていることが望ましいです。
大学レポートの良い締めの言葉の例
論文のジャンルごとに、効果的な結びの言葉は異なります。以下では、自然科学系、社会科学系、文学系、芸術系の各ジャンルにおける具体的なレポートの結論の例を見ていきましょう。
結論の例文【基本編】
ポイントを解説しても、今ひとつイメージができない方のために、結論の書き方の具体例紹介します。
書き方① ポイントを再確認
書き方② 結果・影響を明示
「フレックスタイム制度の導入により、従業員の満足度が40%向上した。」といった具体的な結果を示せば、主張の信憑性が増します。
書き方③ 次のアクションにつなげる
「今後は、この制度を全社員に拡大し、さらなる効果を見込みたい。」といった未来への期待を込める場合も良いですし、「他の部署でも導入を検討し、企業全体の労働環境改善につなげるべきだ。」と提言すると、結論が現実的な行動を促すきっかけとなります。
「主張→結果→次へのアクション」の流れが基本
まとめると、結論を書く際は、自分の主張を明確に再確認し、具体的な結果や影響を示し、次のアクションにつなげることが大切です。
これらを踏まえた上で結論を書けば、読者に対して強い印象を残すことができるでしょう。
自然科学系のレポートの締め
自然科学系のレポートでは、主に実験や観察から得たデータに基づく結論を述べることが一般的です。
それは「本論で述べた実験結果から、次のような結論を導き出すことができました。しかし、この結論にはまだ検証すべき点が残っています。今後は更なる実験や研究を行い、その課題を解決していきたいと考えています。」のように書くことができます。
社会科学系のレポートの締め
社会科学系のレポートでは、「調査結果から見えてきた現象について、既存の理論や社会状況と照らし合わせて考察しました。その結果、以下の結論を導き出すことができました。但し、今後の研究でこの問題を深めていくことで、更なる理論的革新が期待できると考えています。」と述べることが良いでしょう。
文学系のレポートの締め
文学系のレポートでは、一部の小説や詩を深く探求し、作品の主題やメッセージを理解することが目標です。結論の書き方は、「本作品について深く読み解くことで、以下のテーマが作者によって問いかけられていることが理解できました。この解釈は一つの可能性であり、読者によって異なる解釈があることも魅力の一つでしょう。」と伝えることができます。
芸術系のレポートの締め
芸術系のレポートでは、作品分析や自身の創作過程の反省など、様々なジャンルがあります。例えば設計についてのレポートであれば、「設計を通して、こうした課題意識を持ちました。しかし、この作品は完全なものではなく、今後も改良や発展の余地があります。自己の創造性と現実との間で行き来しながら、新たな可能性を求めて探求していく野心を持ち続けていきたいと考えています。」と書くのが適切です。
まとめ
本記事では、大学でのレポート作成における結論部分、それを締める言葉の重要性について詳しく説明しました。レポートの結論は、そのレポート全体のメッセージを伝え、読者に深い印象を与えるための重要な部分であることを再確認しました。
良い結論を作るためのテクニックとして「レポートの目的を明確にすること」「読者の視点を持つこと」「主張を要約すること」「結論の長さを全体の2割にすること」など、様々な要点を挙げました。また、議論の流れを統一し、結論の一貫性を保つことの重要性も強調しました。
一方、誤った書き方と修正方法についても触れ、誤解を招かないようにするための注意点を提供しました。「本文に書いていないことは書かない」「私見を過度に入れない」「本文の内容と異なる結論は避ける」といった基本的なルールを念頭に置くことが求められます。
さらに、具体的なレポート締めの言葉の例を各学問領域ごとに示し、その書き方を学ぶ一助としました。大学生活はレポート作成が欠かせません。この記事を参考に、印象的な結論を書き、高品質なレポート作成を目指しましょう。
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